会社によっては、社員の能力をフル活用することを第一に考えてくれている場合もある。
大手企業や先進的なIT企業になると、通常の会社にはない珍しい人材管理の制度を用意しているケースもあるようだ。
プロ野球選手のように、FA制度を社内で導入している会社もあるくらいだ。
この制度は、社内公募制度とも似ているが、細か見ると違う部分もある。
まず、FA制度は基本的に権利を持っている社員は、いつその権利を行使しても構わないとされている。
社内公募制度は、ごく短い公募期間中に立候補をしなければならないので、この点での違いは大きい。
自分から手を挙げるという意味では同じことだが、ある程度の期間採用されるのを待つことができるかという点で、FA制度の方が優れているという見方ができるだろう。
ただし、FA制度の場合は、プロジェクト単位ではなく、部署に引き抜かれて日常業務に従事することとなるのが一般的だ。
社内公募制度のように、社運をかけた一大プロジェクトの一員になれるかと言えば、そうではないケースもある。
しかし、このような人材の適材適所を実現する制度があると、社員にとってはありがたいはずだ。
中小企業はそもそも社員数が少ないので、人を異動させるということが行われにくい。
職種によっては、何よりも適材適所が重要になってくることもあるだろう。
そこで、転職をする場合は、こうした会社独自の人材活用システムにも注目し、適材適所で働くチャンスを見つけることも一つの手だ。